歯磨き指導を続けて10年。歯の健康の大切さがつたわるまで【Iwata Dental Clinic 歯科医師 平山恵理子さん】

プノンペンのクリニックで歯科医師として働きながら、カンボジア各地でボランティア活動も精力的に行っている平山先生。どんな想いを持って活動されているのかお話を伺いました!

 

平山恵理子さんプロフィール

 

Iwata Dental Clinic歯科医師/一般社団法人ヘルシー オーラルプロジェクト共同代表

福岡県出身。2008年に初めてカンボジアを訪れて以来、歯の健康に関する 知識の教育活動を毎年実施。2014年には一般社団法人ヘルシーオーラル プロジェクトを設立し、年に2回プノンペン、シェムリァップ、バッタンバンなどの地域を巡回している。2018年より、プノンペンにあるIwata Dental Clinic の歯科医師としても勤務。

 

「教育の必要性」を実感

Q.活動の中で印象に残っている出来事はありますか?

地方の村に行ったときにある親子がいたんですが、お母さんの歯がボロ ボロで。その方は30歳くらいだったん ですけど、歯がないからおばあちゃんに見えたんですよね。それを皆さん、子どもを産んだから歯がなくなったんだと思っていて。実は日本も昔そうだった んですよ。「子どもに歯の栄養をとられた」と信じている人がいました。だけど本当は歯磨きをしなかったり、ケアができていないだけなので、教育の必要性を感じました。

(歯ブラシを配り、大きな歯の模型でお手本を見せながら歯磨きの練習)

 

「歯の大切さを伝えたい」

Q.カンボジアで活動を始めてから10 年ほど経ちますが、変化や効果を感じられることはありましたか?

10年続けてきても、まだまだ習慣化にはほど遠いですね。学校で子どもたちに歯磨きを教えても、親世代が歯磨きを知らないので、家に帰ったときに習慣として続かないんです。だから本当に習慣になるのは、今教えている子どもたちが親になったときだと考え ています。30年はかかるんじゃないかな。歯の病気では死なないからと歯を軽視する感覚は、日本もカンボジアも同じ。ですが、歯の病気が全身につながることも証明されています。歯の健康の大切さを伝えていきたいですね。

(1人ずつ順番に検診)

 

子どもたちの虫歯ゼロを目指して

Q.今後の活動計画を教えてください。

少しずつ活動場所が増えてはいるんですが、先が長い活動なので仲間ができにくいんです。同じような活動をしている団体を探しても見つからなくて。歯の治療をする団体は いくつもあるけど、毎回違う場所に行って、虫歯を抜歯して終わりになっていたり。それだとまた虫歯ができて、同じことの繰り返しですよね。珍しい活動なぶん、コアなメンバーが集まってくれていますが、できればもっと増やしていきたいですね。虫歯をなくす、または減らすことで健康な身体を維持することができます。カンボジアには歯の健康に関する知識がまだまだ必要ですから、子どもたちの虫歯ゼロを目指してこれからも活動を続けていきます。

(治療をする平山先生)

 

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平山先生が活動する一般社団法人ヘルシーオーラルプロジェクトでは、一緒に活動 するメンバーや寄付を受け付けています! 最新情報はこちらからご覧ください。

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平山先生が勤務する歯科医院。プノンペンで日本基準の治療が受けられます。

(2018年1月号発行 NyoNyum99号掲載の内容を再編集)